―発売前からの大きな反響は、予想していましたか?
岩本:目標としていた10,000個に対して、いい意味で期待を裏切る初速だったので、予想以上の需要があることに気づけました。
織内:パッケージを見たときから、「これは売れちゃうかも」と思っていましたが、反響は想像を上回るものでした。
お茶は、バレンタインやクリスマス時期には通常より厚めに扱ってはいたものの、関心のある方が実はこんなにたくさんいるということも新しい発見でした。
―岩本さんはお茶離れが深刻とおっしゃってましたが、若い世代ではいかがですか?
岩本:茶葉を急須に入れて飲む、という昔ながらのイメージからは明らかに離れていますね。ただ、ラテやパフェ、ペットボトル飲料など様々なかたちに替わりながら社会に浸透していることを考えると、需要が激減しているわけではないのかなと。20~30代の若い世代に関しては、これまでとは違った形で需要が伸びてきていると思います。
―今回の協業を経ての気づきがあれば教えてください
岩本:2つありまして、1つはターゲットをきちんと定めれば商品は届くんだという事を実証できたのが大きな気づきでした。
もう1つは、近年注目されているD2Cですが、そこだけでは届かないお客様がまだまだいるなと、東急ハンズさんとの協業によって改めて感じました。
小澤:今回、ターゲティングに関してはすごくうまくいき、結果も徐々に出てきていると思います。一方、認知という部分に関してはまだまだ課題があると感じました。知ってもらえさえすれば購入したり、そのために東急ハンズさんに行くきっかけになるくらい魅力的な商品ではあると思うのですが、存在を知られていなかったり、即完売してしまったという印象が拭えていなかったり…今後の販売でも、商品を知ってもらい、どう手に取ってもらうかを引き続きご提案していきたいと思っています。
織内:「東急ハンズでしか買えない」という付加価値が、今回の販売に多少なりとも寄与できたのかなと。それによりメディア価値としての東急ハンズを再認識させてもらえたのがうれしかったですね。
また、「役に立つもの」ではなく、「意味のあるもの」を販売して、結果も出せたことに勇気をもらえました。今回、東急ハンズとしてこの取り組みにチャレンジした大きな動機は、ウィスキー紅茶に込められた「クラフトマンシップ」が、東急ハンズの創業理念である「手の復権」に通じるものがあると思ったから。原点に立ち返りつつ、今後にも繋がる重要な一歩になったと思っています。
―現在、静岡市との協業も進んでいらっしゃると聞きました。
岩本:静岡には、お茶以外にも、わさびや木材など名産品が多くあります。東京から静岡に移住して来た身として、どうにかプロモーションできないかと織内さんに相談したところ協業が実現しました。
織内:弊社としても地方自治体と一緒に何かできないかと模索していて、商品を通じた自然な流れでのご縁でした。
これも全国各地に店舗を構える東急ハンズだからこそできる事なのかなとも思っています。
―具体的にはどのようなことを?
織内:2022年初頭に、新宿店とNewsPicks GINZAの2カ所で、静岡市のPRを実施する予定です。
―最後に、これからのwatoteに一言お願いします。
岩本:こういった取り組みがある事自体、非常にありがたいと思っています。
地方の産品や伝統技術を使った素晴らしい商品が全国各地に沢山眠っているにも関わらず、間口が広がっていなかったり、適切なコネクションが構築できていなかったりするのが現状です。watoteでは、商品のストーリーを汲んで伝えていただけるのがとてもありがたい。ぜひこれからもさまざまな取り組みを応援していただきたいです。
小澤:私も今年4月に東京から地元に戻って来たのですが、地方の個人事業主さんにとって「マーケティング」や「ブランディング」はまだまだ自分とは関係ないものと捉えられているなと感じています。今回の協業で得たものを地元に還元しつつ、巡り巡って、いつかwatoteで紹介してもらえるような、ご縁がつながったらうれしいですね。
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